アンジェラ・アキのすべて

⑧ 手紙~拝啓 十五の君へ~

2008.09.17
8thシングル 手紙~拝啓 十五の君へ~


●CD
1 手紙~拝啓 十五の君へ~
2 Final Destination
3 Still Fighting It (ベン・フォールズカバー)
4 手紙~拝啓 十五の君へ~ (Strings Version)

●DVD
1 手紙~拝啓 十五の君へ~ (Music Video & メイキング映像)
2 Concert Tour 2007-2008 “today" プレミアムムービー


1 手紙~拝啓 十五の君へ~
   作詞作曲 アンジェラ・アキ
2 Final De
   作詞作曲 アンジェラ・アキ


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d0128285_2248852.jpgオリコン1位を獲得したセカンドアルバム『TODAY』のリリースから1年、アンジェラ・アキが始動。アンジェラが10代の時に実際に書いた 「未来の自分への手紙」 からインスパイアされた楽曲。
NHK合唱コンクールの課題曲として書き下ろされたこの曲は、2008年5月のNHKの放送を受け、10代を中心にすでに感動の輪が広がる。
全国津々浦々、老若男女を巻き込み、普遍的な楽曲。
1年ぶりのリリースとなるニュー・シングルは
2008年度のNHK全国学校音楽コンクール“中学校の部”課題曲。自分を信じて生きていくためのメッセージ・ソングとなっている。

カップリングには
final destination」 と ベン・フォールズのカバー 「Still Fighting」。
DVDには
 「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」のミュージック・ビデオ、メイキング映像、
Concert Tour 2007-2008“TODAY のプレミア・ムービーが
収録されている。




ロングインタビュー
d0128285_272187.jpgアンジェラ・アキの新曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」は、♪この胸が何度もばらばらに割れて/苦しい中で今を生きている♪15歳の少年が、未来の自分ととり交わす手紙のやりとりを通して、改めて生きていく力を得る姿を印象的に描き出している。
未来の自分とのコミュニケーション。それは、自分をポジティブな方向に進めていくパワーになる、と彼女は言う。 そして、そうした自分とのコミュニケーションは環境問題に向き合う場合も重要なきっかけになるはずと話す。 ハワイ暮らし以前も、彼女は日本の地方でのノンビリとした暮らしのなかで育った。その暮らしの価値と意味を、いま東京で暮らしながら再認識しているという。自分にとってのいい暮らし、自分が望むライフ・スタイルを手に入れるために、節目ごとに自分が因って来た道筋、自分の気持ちの在り処を随時確認するべき、と彼女の考える。そこで、必要なのは、自分の暮らしを振り返ることができる心の余裕だ。




この曲を作って、中学生の子たちと接する機会が最近多くなったんですけど、自分に宛てて書く手紙ってすごく大事よって言ってるんです。10何年後の自分宛じゃなくても、たとえば卒業式のときの自分に向けて、今の自分の悩みを告白してみたらって。

d0128285_22453856.jpg全部正直に書けば書くほど、卒業式のときに読んだときに、“これはクリアした。これはまだクリアしてないけど、あれをクリアできたっていうことはこれもクリアできるかも”とか。時間がちょっとずつ問題を解決してくれるっていうことに気づくきっかけになると思うんです。

それに気づければ気づくほど、次の悩みに直面したときに、あれが大丈夫だったということは、これも大丈夫かなって、少しポジティブなパワーになっていくのかなって思うんです。

環境問題というのはクリーン・アップっていうか、きれいにするっていうイメージがあるでしょ。そのクリーン・アップするという気持ちを自分自身に向けても考えられないのかなって思うんです。

心の汚い部分をきれいにする、心の環境をきれいにする、みたいな。中から始まって外に出ていくものなんだっていうことって自分から自分に向けて発信したメッセージだったり、そういうところからきっかけが生まれてくるんじゃないのかなって思うんです。

ハワイに行っていちばんびっくりしたのは、ハワイの人たちって、自分たちの土地にすごいプライドを持ってるんですよね。ハワイは世界一きれいな場所だとみんな思ってるんです。実際、海だってきれいだし、誰も汚したりしない。

“こんなにいっぱい観光客が来てるのに、なんでハワイの海は汚れないんだろう?”って思って見てると、ハワイの人たちはゴミ拾いも当たり前だし、自分のじゃないゴミでもいっしょにして持って帰るんですよ。そういうシーンを見て、日本から来たばかりの自分は、凄いなっていうより全然違うアプローチだなって思ったんです。環境に根づいたものがちゃんとあるというか、そういうふうに育てられてそういうふうになってる人たちだから、海もこんなにきれいなんだなって。

d0128285_2163278.jpgだから、その人の気持ちの環境というか、心のエコロジーってすごく大事だなあって思うんですよね。ハワイの人たちがみんなきれいなのも、そのせいだと思うんですよ。みんな、すっきりしてるっていうか、澄んでるっていうか・・・・。

ハワイの人たちのように育ってない私たちがそのことに気づいたときに、未来へ、子どもたちへそのことを伝えようっていうのももちろん大事なんだけど、たとえば1年後、2年後、あるいは5年後、10年後の自分に向けて、“いまこういうふうに思ってるんだけど、未来のあなたも同じように感じてますか?”というようなメッセージを残すっていう。

手紙という形でなくても何か今自分が生きているという証を未来の自分のために残して、自分とコミュニケーションをとる。で、もしかしたらそれどころじゃなくなってる未来の自分がそれを見たときに、“ああ、やっぱりこれは大事だな”と、自分が自分に向けて発信したメッセージで改めて気づいて、そして自分のなかをきれいにしたいと思い、またそれを人に伝えるっていう。

つまり、自分に言われたことに納得すると、次に向かう力になるんですよね。で、歌っていうのは、そういうものだと思うんです。応援ソングとか励ましソングと言われるものが今の世の中にはあふれてますけど、本当の応援とか本当の励ましって多分、自分に向かって言って自分を励ますことができるっていうことだろうから。そうでないと人を励ますことはできないだろうし。

同じように、お母さんが子どもに“地球をきれいにしましょう。環境を大切にしましょう”って言っても、お母さんが心底そのことを信じていないと、ちゃんと伝わらないと思うんです。だからこそ、自分の気持ち環境をしっかり確認することってすごく大事だなあって思うんですよね。

やっぱり、便利に越したことはないなあと思うんです。


d0128285_2214126.jpgおばあちゃんの田舎にお墓参りとかで帰ると、“ここで育ったんだなあ、すごいなあ”っていまだに思いますから(笑)。

ただ、それはいい意味でのショックもあって、“この自然の中で育ったということがいちばんの財産だなあ”って思いますね。

昔は、便利で、しかも差別されたりしないような都会で育ててくれたら良かったのにと思いながら育ったけど、でも今その田舎に帰ると、この自然の宝庫が私の財産だって思う。徳島に帰って、地元のおっちゃんやおばちゃんと話してても、そういうところってみんながつながって、みんなが親戚みたいな感じで助け合って生きていくっていう感じなんですよね。

もし、子供を育てるならそういう環境で育つのがやっぱりいいなあって思う。だって、私は今住んでるマンションの隣に住んでる人の顔を知らないですから。引っ越してきたときにあいさつしに行ったら、明かりがついてたからピンポンって鳴らしたんですけど、出てくれなかったんです。

d0128285_2234914.jpgでも、居留守を使う気持ちもわかるじゃないですか。なんか、恐いものね。そういう気持ちもまったく否定する気はないんだけど、町中、村中が自分の仲間っていう場所がある一方で、自分が住んでる隣の人を知らないっていう対極の状況のなかで生活をしていて、便利に越したことはないけど、ちょっと複雑な気持ちのなかにいますね。

お互いがつながっていること、知り合っていることのうざったさも知っているけれど、そのうざったさも含めて財産だと思えることは、それはやっぱり子どもに伝えたいですよね。

また、本当にこれが大事だと思っていたら、自然に伝わっていくものだと思うし。空っぽな約束とか空っぽな思いじゃなくて、うざったさも含めて受け入れたうえで心底大事だと思えることが本当の意味での財産だったり伝えたいことだったりするんじゃないかなと思うんです。

だから、“地球にきれいになるのに越したことはないんやから、みんなマイ箸を使いましょうね。自分のバッグを持って行きましょうね”とか、そういう大きなところの話よりも、もうちょっと身近な、自分の子どもにはいい空気を吸ってほしいとか、うざいかもしれないけど、つながって仲間がいるっていうふうに思える気持ちを自分の子どもには伝えていきたいと思うんです。

暮らしの豊かさというのは、余裕だと思うんです。切羽詰まったり余裕がなかったりすると、暮らしが窮屈になるでしょ。でも、逆にちょっと余裕があるだけで人のことを思いやれる。エコって思いやりじゃないですか。自分だけのものじゃないから。で、

d0128285_225428.jpg思いやりの心って、余裕に比例してると思うんですよね。ただ、余裕を持つために心の健康をキープしようと思ってても、心の健康ってたとえばビタミンCをたくさん摂ればずっと大丈夫、みたいな話じゃないじゃないですか。急に不安というウイルスが入ってきて、健康な部分をいろいろと駄目にしていくことがあるし。だから、私が心がけてるのは、自分のスケジュールのなかで、やらなければいけないことをなんでも後ろ倒しにしないようにするってこと。ちょっとしたことですけど、毎日のなかでやらなければいけないことを後回しにしないで、具体的に毎日確実に積み重ねていくっていう。

それでも、いつ、どこから嫌なものが忍び込んでくるかわからないし、もし忍び込んできたら、そのときはがんばらない。あんまり無理しないっていうか。そう言う時は、膝を抱えて一晩中泣いてます(笑)。だって、そうしたら、多分泣く前よりはすっきりしてるから。

みんなが“痛い心は素晴らしい曲を生む”って言うから、ボロボロになってるときに曲を書こうとするんですよ。でも、ドロドロななかで作ると、ドロドロな曲しかできない。誰が聴いても、何も響かないドロドロの曲。そうじゃなくて、ちょっと心の中にちょっと余白というか余裕が生まれたときに、いちばん具体的にその感情を表す言葉がみつかりますね。で、それが曲になったときに、人に伝わるっていうか。

私は音楽をずうっと続けてたわけじゃなくて、“音楽やめた!”ってOLやってたときもあるし。だから今はやめてもいいし、そこから離れてもいいんだけど、また始めるっていうか、再度そのことに向き合ってやっていくということが信じ続けるということなのかなって思うんです。しんどくなったら、泣けばいい し、やめればいいし、放り出していいんだけど、でも還ってこられたらそれは信じ続けてるっていうことだと思うんです。
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by a20050309 | 2008-09-17 06:06 | ●アンジェラ2008